COLUMN

鍼・灸の効果

「鍼やお灸をするとなぜ効果があるのですか??」

と良く初診の患者様に聞かれるので、こう思っている方も多いと思い簡単に書かせて頂きます。

鍼は気の流れを調節します!」(完)

本当に一言で済ませるとこれだけなんですが、東洋医学や西洋医学、人体を学んだ鍼灸師にしかわからないですよね。

「え、、、( ゚д゚)、そもそも”気”って何、、、」ってなりますし、僕が怪しく見られてしまうのでまずは一般的なところを大まかに3点解説します。

☆その1『血液の流れを良くする

鍼を刺すと身体にさまざまな反応や反射が起こります。

鍼をした周囲の血行が良くなるのもその一つですが、鍼を刺した周囲の血管が拡張され血流が促進されます。

それにより身体が治るモードに入り、治癒が促進。

状態が悪い部分は血流が停滞していることが多く、ここを改善することにより状態の回復が期待できます。

「落ち葉や泥で詰まっている側溝を掃除してあげると、水の流れが良くなるイメージ」が伝わりやすいかと思います。

しかし、あくまで「鍼が身体を治す」のではなく、「鍼はきっかけで身体を治すのは自分自身」であると言うことがキーポイントです。

また、入浴やサウナ、ジョギングなどで全身の血行を良くするのも効果的ですが、鍼・灸では刺した周囲に優先して血行を良くする鍼灸特有の効果・効能といえます。

血液には、酸素、栄養分、血球成分等たくさん含まれますが、血行が停滞せずに促進してる状態ではこれらが血流によって運ばれるので鍼を刺した周囲が良くなってくるのです。

☆その2『免疫の活性化』

ウイルス等の異物が体内に入るともともと身体に備わっている免疫系が活性化し鍼を退治しようと活性化した血液の流れに乗って白血球の中の顆粒球とか単球とかリンパ球とか、、、(非常にざっくり)がやってきます。

そして彼らの活躍により体内にウイルスの侵入を許しても体内の防衛機構によりやっつけてくれます。

しかし、毎日戦いのない軍隊(免疫系)は平和ボケしてしまいイザという時に戦えなくては意味がなくなってしまう。

そこで、鍼という異物を身体に入れることで強制的にパトロールせざるを得ない。(練習試合、演習作戦みたいなもの。)

それにより免疫システムを活性化しておけばウイルスに感染しづらくなります。

(※睡眠不足や栄養不足、ハードなトレーニングは免疫系を低下させますのでご注意ください。ハードにトレーニングする方はL-グルタミンのサプリメントの摂取をおすすめします。)

ですので、特に不調が無い場合でも免疫系を活性化することにより体調を良好に保つことが出来ます。

体調不良の目を摘んでいるイメージですね。

その3『自律神経の調整』

「闘争と逃走」の交感神経と言われるくらい興奮しているときに優位になる交感神経、休息の時に優位になる副交感神経。

この二つがうまく機能しないと自律神経失調症となってしまいます。

頭痛、めまい、動悸、発汗、火照り感、腹痛、下痢、食欲不振、全身倦怠感などの不定愁訴です。

上記が主に自律神経失調症の症状です。また、中医学でいうところの「七情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)」の情緒変化にも自律神経系は深く関わっています。

交感神経が優位に働いている状態では、「闘争と逃走」状態ですのでパソコンが熱暴走したような状態になります。ただでさえ熱を持つと稼働率下がりますよね。

そして行き着く先は強制シャットダウン。。。となってしまう前に有効なのが鍼灸治療です。

その場合は低刺激の鍼や暖かいお灸でリラックスして副交感神経を優位にします。

また、上記の理由で鬱にも鍼灸は効果があります。さらに鬱の場合は固まったお腹や呼吸に関わる筋肉を緩めていき呼吸を整えます。

反対に副交感神経優位な場合には強刺激な鍼やお灸が必要な場合もあります。

鍼灸でこのような理由により自律神経系の不調に伴う不定愁訴の改善、軽減が期待できます。

僕らは鍼灸師なので七情のような感情、いわゆるメンタルにも鍼灸をして身体からアプローチをかけます。

西洋医学的な心身二元論で身体と精神を分離して考えるのではなく、天人合一的に心と身体を一体として捉えて治療をしますので、治療後は心も身体もスッキリしてお帰り頂けます。

鍼灸治療によって自分の身体のサインに耳を傾けるキッカケになって頂ければ幸いです。

川畑